連載 私の雑記帳(29)  ひと時の安らぎ
 2003年4月の区議選で、私は最下位当選者と88票差で惜敗しました。
 落選後の1番の難問は、仕事を探すことでした。ようやく決まったのが、大手ホテルの厨房の洗い場の仕事でした。夜11時から翌朝7時半までの夜勤で、時給は1000円でした。
 食洗機の熱で40度近くになっている洗い場で、汗まみれで大小の皿を洗い、グラスやナイフ、フォークを磨きました。
 洗い場には、日本語学校や大学に通っている中国人の青年が働いていました。日本語検定で良い成績をとり、日本の大学を卒業して帰国しようと、3時間ほどの睡眠で頑張っている若者たちです。
 しかし、きつい仕事と学業の両立は難しく、こころざし半ばで挫折して帰国する学生が多いのです。
 私はちょうどその頃、大学で中国語を勉強している最中だったので休憩時間になると日本語と中国語をお互いに教えあいました。つらい中でのひと時の安らぎとなりました。
 洗い場は業務用の強力な洗剤を使用していたので、1ヶ月もたたないうちに手の皮が剥け、爪はがたがたの状態になりました。                             つづく

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